データ連携で経営が変わる「ミツテック株式会社 様」 取引開始から連結報告までをシームレスにつなぐ

淡路島に本拠を構え、自動化装置や画像検査装置の設計・製造を手掛けるミツテック。"自動化""つなげる"をコアコンピタンスとする同社は、管理業務のシームレス化にも取り組んでいる。 目次 閉じる開く システムを「全部つなげる」 本業の「自動化する」発想で改革 「"何かを自動にすると誰かが自由になれる、その技術の可能性を淡路島から未来につなぐ"が当社のパーパスです」 というのはミツテック管理部の古川浩二部長。 古川浩二部長 FA分野の自動化設備の製造を中心に、最近では、画像処理技術を生かし検品を自動化する外観検査装置に力を入れている同社は、いわば「自動化」に特化した企業である。 そんな業態に連動するように、ミツテックが本格的な管理業務の自動化(デジタル化)に乗り出したのは2024年。山本賢志税理士・公認会計士を税務・会計顧問に迎えてからである。 高い技術力を背景に工場の「自動化」を実現する 1.システムを「全部つなげる」 同社の創業から変わらぬ主力業務は、電気自動車に使用される2次電池製造ラインの設計・製作。そのため、ここ10年来の電気自動車の隆盛で、年商や従業員数が増加し、管理業務の煩雑さが高まっていた。そうした環境のなか、新たに税務・会計顧問に就任した山本氏は、すぐさま会計ソフトとして『FX4クラウド』を導入する。月次決算を徹底し、タイムリーな業績管理を実現するためである。 ミツテックでは同時期に、基幹システムとして『rBOM(※1)』を導入。それまでの自社開発の基幹システムでは対応が難しくなってきたからだ。 「データ連携は私の趣味」と公言する山本氏は、そうしたシステムの内情を聞くうちに、「全部つなげられる」と感じる。つまり、システムを連携し、デジタルシームレスの状態に持っていけるとの確信を持ったのである。 山本賢志税理士・公認会計士 当時、同社の管理業務はシステムごとに分断されていた。基幹システム、会計システム、そして東証プライム上場企業でもある親会社(オプテックスグループ)への財務報告――それぞれに入力や確認が必要で、かなり工数がかかるのはもちろん、ヒューマンエラーのリスクも高かった。数年前に経費精算システム『楽楽精算(※2)』を導入し、経費関連業務の流れは整備されたものの、依然としていくつかの課題が残されていた。 しかし現在は違う。豊田育子課長はその変化をこう語る。 「山本先生のおかげで、次々とシステムがつながり、業務のスピードと正確性が飛躍的に向上しました。ありがたかったし、本当にびっくりしました」 豊田育子課長 『楽楽精算』と『FX4クラウド』との連携は比較的簡単だったと、山本氏は言う。 「旧会計システムとも連携していたので、すでに形ができていて、仕訳データをCSVで出力してから『FX4クラウド』に取り込むことは容易でした」 問題は基幹システムとの連携だ。『楽楽精算』と同じく『rBOM』から吐き出されたCSVデータを『FX4クラウド』に流し込む形だが、最大の難所は消費税の処理だった。 山本氏は振り返る。 「単純なデータ連携だと消費税が両システム間でズレるんです。そのため、まず、税抜きで仕訳計上し、基幹システムの計算と突合。差額を調整する形に。複数のテンプレートを組み合わせて仕訳をつくるようにしました」 この工夫により、基幹システムからのデータをそのまま正確な会計処理へと変換できる仕組みが完成した。豊田課長もその効果を強調する。 「以前は集計作業や再入力が必要でしたが、それがなくなり、結果としてミスの発生リスクが大幅に低減しました」 加えて画期的だったのが、親会社との連携である。古川部長が言う。 「当社はオプテックスグループの子会社なので、都度、財務報告が求められます、それが非常に楽になりました」 以前は、会計ソフトからデータを取り出し、それを、親会社のシステムの報告フォームに打ち直して提出するスタイルだった。それが『FX4クラウド』の「マネジメントレポート設計ツール」という機能で自動生成したデータがそのまま利用できるため、加工や再集計の手間が不要となり、迅速かつ正確な報告資料の作成が可能となったのである。 ※1 rBOM…DAIKO XTECH株式会社の販売する生産管理システム ※2 楽楽精算…株式会社ラクスが販売する経費精算システム 2.本業の「自動化する」発想で改革 この改革は、ミツテックの文化そのものともいえる。古川部長は「本業が"つなげる""自動化する"会社ですから、経理も同じ発想になるのです」と語る。 人手を減らしながら精度を高める――製造現場と同じ思想が、経理業務にも適用されている。冒頭で示したミツテックのパーパスはバックオフィスにも浸透しているというわけだ。 データ連携の価値は業務効率にとどまらない。経営判断の精度向上にも直結している。『rBOM』等から出力されるデータが、加工されずに『FX4クラウド』とつながることにより、適時正確な会計情報を得られるようになったからだ。 山本氏は言う。 「入力されたデータがそのまま最終局面の連結報告、税務申告まで一気通貫でつながる。その間、人はデータを加工しないが確認・承認は行う。内部統制を考える上でこれが私の求めるデータ連携です」 さて、ミツテックは主業務としてきた2次電池製造ラインの設計・製作という「一本足打法」からの脱却を目指している。 「昨年あたりから電気自動車の需要に陰りが見え始めたため、当社では目視による検品作業を自動化する外観検査装置に力を入れています」(古川部長) 従来からのメカトロ技術に、カメラ・照明・AI・検査ソフトを活用したビジョン技術を融合したハイテク企業へと舵をとりつつある。そうした技術革新を陰で支えるべく、わずか2年で管理部門のデジタルシームレスを実現したミツテック。その機動力には脱帽である。 (取材協力・税理士法人クリアパートナーズ/本誌・髙根文隆) 会社概要 名称 ミツテック株式会社 業種 自動化装置、画像検査装置の設計・製造 設立 1987年10月 所在地 兵庫県淡路市中村134-1 売上高 52億円 社員数 112名 利用システム FX4クラウド URL https://www.mitsu-tec.com 顧問税理士 税理士法人クリアパートナーズ 代表社員 山本賢志税理士・公認会計士 兵庫県姫路市延末1丁目73-1 URL: https://yamamoto.tkcnf.com 掲載:『戦略経営者』2026年7月号 【関連記事】データ連携で経営が変わる 【OPENING INTERVIEW】国税庁 長官官房 菅沼哲矢参事官/事業者のDXが業務効率と申告の正確性を高める 【CASE1】ミツテック株式会社 様/取引開始から連結報告までをシームレスにつなぐ 【CASE2】株式会社明治堂 様/レジ連携で意思決定のスピードアップを実現 記事提供 戦略経営者  『戦略経営者』は、中堅・中小企業の経営者の皆さまの戦略思考と経営マインドを鼓舞し、応援する経営情報誌です。 「TKC全国会」に加盟する税理士・公認会計士の関与先企業の経営者を読者対象に、1986年9月に創刊されました。 発行部数13万超(2025年9月現在)。TKC会計人が現場で行う経営助言のノウハウをベースに、独自の切り口と徹底した取材で、真に有用な情報だけを厳選して提供しています。

2026.07.21

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