「BeReal」というSNSから社内情報が流出したとのニュースを最近よく聞きます。このSNSの特徴と企業としてとるべき対策を教えてください。(家具小売業)
写真共有SNSである「BeReal」への投稿をきっかけとした、社内情報の流出が相次いでいます。2026年4月、ある地方銀行の行員が撮影した投稿がSNS上で拡散し、炎上する事態に発展しました。投稿には社内のホワイトボードが写り込み、顧客の氏名や営業目標まで記されていたといいます。同様に、BeRealではなくインスタグラムに投稿したようです、学校職員や病院職員による個人情報流出など、BeReal発の情報漏えいが次々と明るみになっています。
BeRealはフランス発のSNSで、日本では23年頃からZ世代を中心に人気となりました。1日1回、ランダムなタイミングで届く通知から2分以内に、前後カメラで同時に撮影した写真を投稿するのが特徴です。2分を超えても投稿できますが、投稿するまで友達の投稿が見えないなどの制限がかかるため、時間内に撮影する人がほとんどです。「リアルの共有」をコンセプトにしているため、写真を加工できないことも特徴です。公開範囲は承認しあった親しい間柄のユーザーのみに限られます。こうした仕組みのため、若者は「見せてもいい相手」だけとつながっているという安心感から、ありのままを気軽に投稿する傾向があります。また、投稿が原則24時間で自動消去されることも油断を招く要因です。
しかし、投稿が消えるといっても、公開相手がスクリーンショットや画面録画で保存すれば、アプリを超えて流出する可能性は残ります。昨今のSNSは注目を集めることで収益を得られる仕組みが多く、炎上しそうな話題は格好の材料といえます。ひとたび流出すれば、フォロワーの多いアカウントが飛びついて急速に拡散させるため、企業名を含め広く報じられるリスクがあります。
想定される被害の周知を
流出の背景には、BeReal特有の投稿の仕組みだけでなく、「何が社内機密にあたるのか」を社員自身が十分理解していないという問題もあります。バイトテロと同様、悪意ではなく、無自覚な油断から起きているケースが少なくありません。
最近の若手社員は、SNSやスマートフォンを使いこなしている世代ですが、社会経験は未熟です。「今さら」と思わず、オフィス内の写真や社内システムの画面、入館証などが外部に出た場合にどのような被害につながるのかを具体的に説明するなど、教育の機会を設けることをおすすめします。
あわせて、私用スマホの持ち込みの制限や、撮影が許されるエリアや時間帯の限定等のルールづくりも有効です。在宅勤務の場合は周囲の目がない分、気の緩みが生じやすいため、テレワーク時のSNS利用ガイドラインを策定する必要もあります。
BeReal以外のアプリでも社内情報が流出するリスクは大いにあり、ヒューマンエラーが起きにくい対策や環境づくりで防御力を高める必要があります。社員一人一人のITリテラシーを高めつつ、組織として備えを重ねていくことが、情報漏えいを防ぐ近道となるでしょう。
掲載:『戦略経営者』2026年10月号
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