2026年06月01日

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スキマバイト解約ルールの厳格化

スキマバイト解約ルールの厳格化

使い勝手の良さからスキマバイト(スポットワーカー)を活用しています。解約時のルールが最近変更されたそうですが、詳しく教えてください。(物流業)

 スキマバイトは、その仲介事業者団体である一般社団法人スポットワーク協会(以下、協会)によれば、2025年10月時点の主要事業者延べ登録者数は3,800万人に達しています。また、パーソル総合研究所の同年1月時点の調査では、直近1年間のスキマバイト実利用者数は約452万人(24年労働人口の約6.5%)、潜在的な利用意向を持つ人口がその3倍弱の約1,431万人となっています。

 スキマバイトは、小売りやサービス等の慢性的人手不足業種、企業においては、必要不可欠の雇用形態として組み込まれているといえるでしょう。このようなスキマバイトの急拡大は、既存の雇用形態との違いから、労働法制上さまざまな労使間トラブルを引き起こしています。なかでもスキマバイトに固有かつ深刻なトラブルとして、「使用者からの解約」をめぐるトラブルが挙げられます。

一方的な解約は原則不可

 25年7月に厚生労働省は、「面接等を経ることなく先着順で就労が決定する求人では、別途特段の合意がなければ、事業主が掲載した求人にスポットワーカーが応募した時点で労使双方の合意があったものとして労働契約が成立する」との一般的な見解を示し、協会に対して、スキマバイトにおける適切な労務管理等に関する協力依頼を行いました。

 これを受けて協会は「スポットワークサービスにおける適切な労務管理へ向けた考え方」をとりまとめ、さらに有識者等の意見を踏まえて26年3月に、これを改訂。各仲介事業者において、利用企業へ十分な説明、周知を行いつつ、同年5月以降、可能な限り速やかに必要な対応を進めるとしました。協会はこの中で①スキマバイト応募完了時に解約権留保付労働契約が成立すること②使用者からの解約は原則不可であること③解約せず労働者から労務提供を受けない場合でも、休業手当を支払う必要があることを明記しました。

 ①については、解約事由の明示を前提に、天災事変等の発生、健康や法令の制約による就労不能、労働者の反社行為、募集条件の不備等に限って、解約の合理性・相当性が認められるとしています。また、契約成立時に予期し得ない事情で営業中止等となった場合も、解約が認められる余地はあるものの、紛争防止に鑑み、就労予定者が別の就労機会を見つける時間的余裕に配慮し、少なくとも24時間前までには通知して、当該事情について丁寧に説明を行い、理解を得る努力を要するとしました。

 これら解約手続きの厳格化により、ワーカーの他社での勤務態度等、低評価を理由とした解約は認められず、場合によっては休業手当の支払いも生じうることから、スキマバイト利用企業のリスクは今後大きくなるものと予想されます。そのため、募集段階から慎重なプロセスを踏む必要性が生じ、それが事務管理コストを増やす可能性もあります。従前のレギュラーバイトとの比較検討や併用など、新たなスポット人員確保の対応策が求められます。

【回答者】特定社会保険労務士 尾鼻則史

掲載:『戦略経営者』2026年6月号

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 発行部数13万超(2025年9月現在)。TKC会計人が現場で行う経営助言のノウハウをベースに、独自の切り口と徹底した取材で、真に有用な情報だけを厳選して提供しています。

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