2026年04月10日

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FX2クラウドユーザー事例 「株式会社アソシア 様」 経理業務の効率化が支えるおしゃれで明るい福祉施設

FX2クラウドユーザー事例 「株式会社アソシア 様」 経理業務の効率化が支えるおしゃれで明るい福祉施設

沖縄県と兵庫県で就労移行支援施設などを運営するアソシア。障害者支援のイメージを刷新する洗練された空間づくりを武器に、若い世代を中心に利用者を集めている。同社の神谷牧人代表取締役CEOや冨田将孝顧問税理士らに、『FX2クラウド』導入の効果や活用法を聞いた。

──事業概要を教えてください。

神谷 法人本部がある沖縄県北谷町の拠点では、就労継続支援B型、放課後等デイサービス、計画相談支援の3事業を運営しています。宜野湾市の拠点では就労移行支援、自立(生活)訓練、県の委託事業である「拠点型こどもの居場所」事業を展開しています。さらにうるま市では、2拠点で若年妊産婦の居場所づくり事業(18歳未満で出産する若年女性の支援)、拠点型こどもの居場所事業(うるま市からの委託事業)を行っています。

神谷牧人代表取締役CEO

神谷牧人代表取締役CEO

──兵庫県での事業展開は?

神谷 神戸市では自立(生活)訓練、計画相談支援に加え、市からの委託事業である「しごとサポート東部」を運営しています。川西市では就労継続支援B型、就労移行支援、計画相談支援、圏域コーディネーター事業(兵庫県からの委託事業)など幅広い事業を行っています。

──施設の特徴を教えてください。

神谷 最大の特徴は、おしゃれで明るい空間づくりを徹底している点です。デンマーク留学時に見た福祉施設の洗練されたデザインに衝撃を受け、「大切な家族が通うことになっても、自信をもって『ここがいいよ』と言える場所をつくりたい」という思いが原点にあります。視力が悪いことは一種の障害ですが、眼鏡をかけるのを恥ずかしいと思う人は今やいません。むしろファッションとして浸透しています。同じように、福祉施設も誰もが自然に出入りできる存在へとアップデートしたいと考えています。

デザイン性の高い空間づくりが特徴

デザイン性の高い空間づくりが特徴

──メインの利用者層は?

神谷 精神障害や発達障害のある方が中心で、約800人の方にご利用いただいています。年齢層は10~30代の若い世代がメインです。実習先は特定の業種に限定せず、利用者が「やってみたい」という気持ちに応じて、その都度協力企業を開拓しています。

──施設内で行うプログラムについて教えてください。

神谷 当社が力を入れているのは、自己理解やSOSの出し方(支援要請の方法)、コミュニケーションスキルなど、働くうえで不可欠な土台づくりです。特に自己理解の部分では、国際的に広く用いられているメソッドであり、私自身が認定資格を持っているMBTI(Myers-Briggs Type Indicator)の手法を取り入れています。MBTIのメソッドを用いることで、利用者本人が自分の強み・弱み、適した働き方を客観的に理解する助けになっています。

──2023年には、子会社アソシアD&Iを設立されました。

神谷 自社で障害者雇用の受け皿をつくるために設立しました。建築設計とデザインを手がけ、社員の50%以上を障害者雇用することを目標にしています。CADオペレーターの育成にも力を入れており、ダイバーシティーとインクルージョンを自ら実践しています。

1.複数拠点で最新業績を確認

──冨田将孝税理士と顧問契約を結ばれた経緯について教えてください。

神谷 起業時に知人の福祉法人関係者に紹介してもらったのがきっかけです。経理や財務の経験がなかったため、税理士は「経理がまとめた数字を確認し、申告書を仕上げる人」くらいのイメージしかありませんでした。しかし冨田先生はその税理士像を完全に覆しました。帳簿や書類等のチェックだけではなく、予算と実績のかい離の原因、前年同月比の変動要因、経営判断がそもそも経営理念に合致しているかなど、深く踏み込んで一緒に考えてくれたのです。

──09年の創業当初から『FX2』を利用され、24年7月に『FX2クラウド』に移行しています。理由を教えてください。

神谷 19年から神戸で事業がスタートし、翌年には兵庫県川西市でも事業が始まりました。兵庫と沖縄を行き来する生活になり、「自分がどこにいても財務状況をリアルタイムで確認できる環境が必要だ」と感じるようになり、クラウド化が最適だと判断したのです。

──部門別業績管理の現状を教えてください。

神谷 当社の事業は、それぞれのサービスに法的な事業所番号があります。その番号ごとに1部門として管理しています。それに自治体からの委託事業5事業を加え、全20部門で管理を行っています。

──特に注視している指標はありますか。

神谷 人件費率は頻繁にチェックしています。福祉事業は、売上高が落ちたからといって職員数を減らすわけにはいきません。そのため、売り上げが下がれば、その分人件費率が一気に高まります。62〜63%を超えると経営的にはかなり苦しい状態で、バランスが取れて良い状態だと感じるのは55%を切るあたりだと考えています。

──予実管理はどのように行っていますか。

冨田 入力を終えた『FX2クラウド』のデータを、「マネジメントレポート(MR)設計ツール」でエクセルファイルに落とします。そのファイルを加工して予算実績推移表を作成し、予実管理を行っています。例えば、年度予算のうち4月から10月までを消化したとすると、10月の月次決算で11月以降の予測を行い、予算と実績の差異をどのように埋めていくのか、事業所の運営で見直しが必要な点はどこかといったことを議論しながら、決算の着地点を探っていくというイメージです。

冨田将孝顧問税理士

冨田将孝顧問税理士

2.学習機能で効率的に仕訳入力

──経理を担当されている真喜屋さんはもともとアソシアの利用者だったとお聞きしています。

真喜屋亮経理担当 当社の創立後すぐに、利用者として就労移行支援のサービスを受けていました。その後別のA型事業所に通っていた時に「パソコンを使って経理の仕事をしないか」と声をかけてもらい、17年に当社に就職することにしました。最初はフルタイムではありませんでしたが、18年から正社員として勤務しています。もともとパソコンが得意で、16年と18年にアビリンピック(全国障害者技能競技大会)の「ワード・プロセッサ」種目に出場した経験があります。

真喜屋亮経理担当

真喜屋亮経理担当

冨田 特筆すべき点は、ブラインドタッチの精度と、膨大な数のショートカット操作を使いこなすパソコンのスキルです。マウスに触れることなく、画面だけを見てすべての操作をキーボードで完結できるため、画面の切り替わりについていけないほど処理スピードが速い。高校時代に全商簿記2級を取得しているなど経理の知識もあり、沖縄だけでなく神戸や川西などすべての事業所の仕訳の入力をほぼ1人で担当しています。仕訳数は月に2,000を超えることもあります。

──入力作業を効率的にするために活用している機能や周囲のサポートはありますか。

真喜屋 「証憑保存機能」によってクラウドに保存された各事業所のレシートをもとに仕訳を入力していますが、入力内容が学習されていくので、特によく使う取引先の仕訳入力はかなり楽になっていると感じています。また「銀行信販データ受信機能」も、仕訳ルールの学習機能で簡単に仕訳が計上できるので重宝しています。

宜野座妙美法人本部マネージャー 真喜屋さんの仕訳処理は非常に正確で、安心して任せられています。私は、月次巡回監査への対応の中で、補足情報が必要になった際、各事業所の管理者へ電話で問い合わせる「クッション役」としてサポートしています。

宜野座妙美法人本部マネージャー

宜野座妙美法人本部マネージャー

──今後の抱負をお話しください。

神谷 当社では法人本部だけでなく、各拠点でも障害のある方を雇用しており、従業員に占める障害者の割合は法定雇用率を大きく上回る18〜19%に達した時期もありました。当社にはコミュニケーションが得意ではない社員もいますが、無理に電話対応を求めることはしません。苦手なことを無理して克服するのではなく、できることを伸ばすことが大切です。当社の取り組みを通じ、多様な人が活躍できる社会づくりに貢献していきたいと考えています。

(協力・冨田将孝税理士事務所/本誌・植松啓介)

会社概要
名称 株式会社アソシア
業種 福祉施設の運営
設立 2009年6月
所在地 沖縄県中頭郡北谷町北前1-10-8
売上高 約4億円
従業員数 70名(2025年4月現在)
URL https://associa-lnd.co.jp
顧問税理士 冨田将孝税理士事務所
税理士 冨田将孝
沖縄県浦添市内間2-6-3 1F

掲載:『戦略経営者』2026年4月号

年商50億円を目指す企業の情報誌 戦略経営者

記事提供

戦略経営者

 『戦略経営者』は、中堅・中小企業の経営者の皆さまの戦略思考と経営マインドを鼓舞し、応援する経営情報誌です。
 「TKC全国会」に加盟する税理士・公認会計士の関与先企業の経営者を読者対象に、1986年9月に創刊されました。
 発行部数13万超(2025年9月現在)。TKC会計人が現場で行う経営助言のノウハウをベースに、独自の切り口と徹底した取材で、真に有用な情報だけを厳選して提供しています。

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