中央社会保険医療協議会の小塩隆士会長が令和8年度診療報酬改定について、改定案を2月13日、上野賢一郎厚生労働大臣に答申し、個別改定項目を公表しました。最重要課題として位置づけられている「物価高騰と賃上げ対応」に焦点を当て解説します。
💡この記事のポイント
☑令和8年度診療報酬改定は、その約8割を物価高騰と賃上げ対応分に充てられている。
☑物価対応分0.76%のうち、病院に0.49%、医科診療所に0.1%の配分となり、「物価対応料」の新設を中心に対応していること
☑賃上げでは、「勤務する職員」への対応と幅広くしていること
1.診療報酬本体+3.09%は令和8・9年度の平均値
診療報酬本体の改定率は+3.09%、そのうち、賃上げ分として+1.70%、物価対応分として+0.76%が確保されましたが、これまでの改定のあり方とは様相が異なり、通常は改定のない年(令和9年度)の物価・賃金の上昇分を見込んだ改定率となっています。
さらに実際の経済・物価の動向が令和8年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、令和9年度における更なる調整と、令和10年度以降の経済・物価動向等への対応の検討も行うことが明記されています。
〈改定率〉
〇診療報酬本体:+3.09%
(2年度平均。令和8年度:+2.41%、令和9年度:+3.77%)
・うち賃上げ分:+1.70%
(2年度平均。令和8年度:+1.23%、令和9年度:+2.18%)
・うち物価対応分:+0.76%
(2年度平均。令和8年度:+0.55%、令和9年度:+0.97%)
・うち食費・光熱水費分:+0.09%
・うち緊急対応分:+0.44%(令和6年度改定以降の経営悪化を踏まえた対応)
・うち処方等の評価の適正化等:▲0.15%
(後発医薬品への置換えの進展を踏まえた処方や調剤にかかる評価の適正化、実態を踏まえた在宅医療・訪問看護関係の評価の適正化、長期処方・リフィル処方の取組強化等による効率化)
・うち、上記を除く改定分:+0.25%
〇薬価等:▲0.87%
2.令和8・9年分の物価高騰への対応として特別の評価項目を新設
診療報酬本体+3.09%のうち、物価対応分に+0.76%を充てます。昨年12月24日の大臣折衝において、物価対応分について「特に令和8年度以降の物価上昇への対応としては、+0.62%(令和8年度+0.41%、令和9年度+0.82%)を充て、診療報酬に特別な項目を設定することにより対応する」としていたように、「物価対応料」や「急性期病院一般入院基本料」等が新設されます。
また、病院と診療所等との物価対応分にかかる診療報酬の配分が、病院+0.49%、医科診療所+0.10%、歯科診療所+0.02%、保険薬局+0.01%だったこともあり、初・再診料の引き上げとしては再診料の1点の引き上げにとどまり、多くは入院料の引き上げに費やされています。
(1) 再診料等の引き上げと物価対応料の新設
これまでの物件費負担の増加を踏まえ、診療所は再診料、有床診療所入院基本料等の引き上げ、病院の場合は再診料と入院料(機能に応じた点数引き上げ)の引き上げが行われます(初診料は据え置き)。物価高の影響を受けやすい高度機能医療等を担う特定機能病院・急性期病院一般入院基本料等については、別途、評価を新設等して対応します。
令和8年度・令和9年度の物価上昇に段階的に対応するため、基本診療料等の算定に併せて算定可能な加算(「物価対応料」)が新設されます。
なお、大病院とかかりつけ医機能を担う医療機関との連携を促進させるため、初診にかかる診療報酬として、「特定機能病院等紹介患者受入加算(60点)」が設けられます。ただし、許可病床数400床以上等の大病院からの紹介を受けた場合の加算となります。
〇初・再診料、入院基本料等の引き上げ(カッコ内は旧点数)
・初診料 291点(291点)
・再診料 76点(75点)
・有床診療所入院基本料(1日につき)
1 有床診療所入院基本料1
イ 14日以内の期間 1,027点(932点)
ロ 15日以上30日以内の期間 819点(724点)
ハ 31日以上の期間 710点(615点)
(以下、有床診療所入院基本料2以降については略)
・急性期一般入院基本料
イ 急性期一般入院料1 1,874点(1,688点)
ロ 急性期一般入院料2 1,779点(1,644点)
ハ 急性期一般入院料3 1,704点(1,569点)
ニ 急性期一般入院料4 1,597点(1,462点)
ホ 急性期一般入院料5 1,575点(1,451点)
へ 急性期一般入院料6 1,523点(1,404点)
・地域一般入院基本料
イ 地域一般入院料1 1,290点(1,176点)
ロ 地域一般入院料2 1,282点(1,170点)
ハ 地域一般入院料3 1,097点(1,003点)
・特別入院基本料 704点(612点)
※初再診料が包括されるその他の点数、訪問診療料およびその他の入院料等についても同様に対応。
〇高度機能医療等を担う特定機能病院等にかかる評価
・急性期病院一般入院基本料(1日につき)(新設)
イ 急性期病院A一般入院料 1,930点
ロ 急性期病院B一般入院料 1,643点
・急性期病院精神病棟一般入院基本料(1日につき)(新設)
イ 急性期病院A精神病棟入院料
(1) 10対1入院基本料 1,519点
(2) 13対1入院基本料 1,162点
(3) 15対1入院基本料 966点
ロ 急性期病院B精神病棟入院料
(1) 10対1入院基本料 1,502点
(2) 13対1入院基本料 1,145点
(3) 15対1入院基本料 949点
・特定機能病院入院基本料
1 特定機能病院A入院基本料
イ 一般病院の場合
(1) 7対1入院基本料 2,146点(1,822点)
(2) 10対1入院基本料 1,771点(1,458点)
ロ 結核病棟の場合
(1) 7対1入院基本料 2,125点(1,822点)
(2) 10対1入院基本料 1,757点(1,458点)
(3) 13対1入院基本料 1,526点(1,228点)
(4) 15対1入院基本料 1,350点(1,053点)
ハ 精神病棟の場合
(1) 7対1入院基本料 1,851点(1,551点)
(2) 10対1入院基本料 1,692点(1,393点)
(3) 13対1入院基本料 1,336点(1,038点)
(4) 15対1入院基本料 1,245点(948点)
(以下、特定機能病院B入院基本料以降については略)
・小児入院医療管理料(算定要件)
1 小児入院医療管理料1 5,216点(4,807点)
〇上乗せ算定できる物価対応料等の新設
・物価対応料(令和9年6月以降は、所定点数の100分の200の点数)
1 外来・在宅物価対応料
イ 初診時 2点
ロ 再診時 2点
ハ 訪問診療時 3点
2 入院物価対応料(入院基本料(特別入院基本料等を含む)、特定入院料または短期滞在手術等基本料(短期滞在手術等基本料1を除く)を算定している患者について、当該基準にかかる区分に従い算定)
イ 急性期病院A一般入院料を算定する場合 66点
ロ 急性期病院B一般入院料を算定する場合 58点(ハの場合を除く)
ハ 急性期病院B一般入院料及び看護・多職種協働加算を算定する場合 58点
ニ 急性期一般入院料1を算定する場合 58点
ホ 急性期一般入院料2を算定する場合 45点
へ 急性期一般入院料3を算定する場合 45点
ト 急性期一般入院料4を算定する場合 45点(チの場合を除く)
チ 急性期一般入院料4及び看護・多職種協働加算を算定する場合 58点
リ 急性期一般入院料5を算定する場合 36点
ヌ 急性期一般入院料6を算定する場合 34点
ル 地域一般入院料1を算定する場合 32点
ヲ 地域一般入院料2を算定する場合 32点
ワ 地域一般入院料3を算定する場合 23点
カ 特別入院基本料(一般病棟)を算定する場合 17点
※その他の入院料等を算定する場合についても同様に対応。
(2) 歯科、調剤も物価対応料を新設
歯科については、初診料について5点引き上げ、再診料は1点引き上げ、また「歯科外来物価対応料」が新設されます。調剤についても同様に、調剤基本料の引き上げと「調剤物価対応料」が新設されます。
〇歯科の初・再診料等(カッコ内は旧点数)
・歯科初診料 272点(267点)
・歯科再診料 59点(58点)
※歯科初診料または歯科再診料相当で評価されている項目についても同様に対応。
・歯科外来物価対応料(令和9年6月以降は、所定点数の100分の200の点数)
1 初診時 3点(1日につき)
2 再診時 1点(1日につき)
※入院中の患者に対しては、「入院物価対応料」と同様。
〇調剤基本料等
・調剤基本料
1 調剤基本料1 47点(45点)
2 調剤基本料2 30点(29点)
3 調剤基本料3 イ 25点(24点)
ロ 20点(19点)
ハ 37点(35点)
・調剤物価対応料 1点
(3か月に1回限り。令和9年6月以降は100分の200を算定)
(3) 訪問看護は「月の2日目以降の場合」と「包括型訪問看護療養費」を新設
訪問看護療養費については、訪問看護療養費を引き上げるとともに、「月の2日目以降の訪問の場合」の評価について新設します。また、新設の「包括型訪問看護療養費」についても物価上昇を踏まえた点数としています。「訪問看護物価対応料」についても新設されます。
〇訪問看護療養費にかかる評価(カッコ内は旧費用額)
・訪問看護管理療養費
1 月の初日の訪問の場合
イ 機能強化型訪問看護管理療養費1 13,760円(13,230円)
ロ 機能強化型訪問看護管理療養費2 10,460円(10,030円)
ハ 機能強化型訪問看護管理療養費3 9,030円(8,700円)
ニ 機能強化型訪問看護管理療養費4 9,030円(新設)
ホ イ~ニまで以外の場合 7,710円(7,670円)
2 月の2日目以降の訪問の場合(1日につき)(新設)
イ 単一建物居住者が20人未満 3,010円
ロ 単一建物居住者が20人以上49人以下
(1) 1か月あたり訪問日数が15日以下の場合 2,510円
(2) 1か月あたり訪問日数が16日以上24日以下の場合 2,310円
(3) 1か月あたり訪問日数が25日以上の場合 2,210円
ハ 単一建物居住者が50人以上
(1) 1か月あたり訪問日数が15日以下の場合 2,410円
(2) 1か月あたり訪問日数が16日以上24日以下の場合 2,210円
(3) 1か月あたり訪問日数が25日以上の場合 2,010円
・包括型訪問看護療養費(新設)
1 単一建物居住者が20人未満の場合
イ 訪問看護時間が30分以上60分未満 7,010円
ロ 訪問看護時間が60分以上90分未満 11,010円
ハ(1) 訪問時間が90分以上 14,010円
(2) 訪問時間が90分以上(別に厚生労働大臣が定める場合に限る)
15,510円
2 単一建物居住者が20人以上50人未満の場合
イ 訪問看護時間が30分以上60分未満 6,310円
ロ 訪問看護時間が60分以上90分未満 9,910円
ハ(1) 訪問看護時間が90分以上 13,730円
(2) 訪問看護時間が90分以上(別に厚生労働大臣が定める場合に限る)
15,200円
3 単一建物居住者が50人以上の場合
イ 訪問看護時間が30分以上60分未満 5,960円
ロ 訪問看護時間が60分以上90分未満 9,360円
ハ(1) 訪問看護時間が90分以上 13,450円
(2) 訪問看護時間が90分以上(別に厚生労働大臣が定める場合に限る)
14,890円
・訪問看護物価対応料(1日につき。令和9年6月以降は100分の200の点数)
1 訪問看護物価対応料1
イ 月の初日の訪問の場合 60円
ロ 月の2日目以降の訪問の場合 20円
2 訪問看護物価対応料2 20円
(4) 入院時の食費等の物価高騰対応
入院時の食費および光熱水費については、入院時食事療養費(Ⅰ)(Ⅱ)の費用の額、入院時生活療養費(Ⅰ)(Ⅱ)のうち食事の提供について、1食あたり40円を引き上げ、入院時生活療養費(Ⅰ)(Ⅱ)のうち温度、照明、給水に関する療養の費用について、1日あたり60円を引き上げます。
また、特別食加算の対象となる特別食について算定要件を見直し「嚥下調整食」について新たに評価します。また、入院患者の多様なニーズに対応できるよう、特別の料金の支払いを受けることができる食事の要件を見直します。基本メニュー以外のメニューを準備するためにかかる追加的な費用について標準額を削除し、医療機関が妥当な額を設定できることとするとともに、行事食やハラール食等の宗教に配慮した食事を提供した場合も、特別の料金の支払いを受けることができる食事として明確化します。
〇食費・光熱水費等への対応(食事療養及び生活療養の費用額算定表)
・第一 食事療養(1食につき)(カッコ内は旧費用額)
1 入院時食事療養(Ⅰ)
(1) (2)以外の食事療養を行う場合 730円(690円)
(2) 流動食のみを提供する場合 665円(625円)
2 入院時食事療養費(Ⅱ)
(1) (2)以外の食事療養を行う場合 596円(556円)
(2) 流動食のみを提供する場合 550円(510円)
・第二 生活療養
1 入院時生活療養(Ⅰ)
(1) 食事の提供たる療養
イ 次のロ以外の食事の提供たる療養を行う場合 644円(604円)
ロ 流動食のみを提供する場合 590円(550円)
(2) 温度、照明および給水に関する適切な療養環境 458円(398円)
2 入院時生活療養(Ⅱ)
(1) 食事の提供たる療養 510円(470円)
(2) 温度、照明および給水に関する適切な療養環境の形成たる療養
458円(398円)
3.「勤務する職員」に幅を広げたベースアップ評価料
診療報酬+3.09%のうち、賃上げ分として+1.70%を充て、令和8年度、9年度において段階的に評価します。また、「保険医療機関に勤務する職員」を対象に拡大しています。さらに、継続的に賃上げを実施している保険医療機関とそれ以外の保険医療機関において異なる評価を行います。なお、入院ベースアップ評価料については、点数は据え置きのまま、251~500までの区分を新設しています。
(1) 外来・在宅ベースアップ評価料の見直し
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)及び歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)については、点数の引き上げとともに、算定要件について「主として医療に従事する職員(医師及び歯科医師を除く)」としていたものを、「当該保険医療機関において勤務する職員」とし、幅広い医療関係職種において物価上昇を超える賃上げを実現するための、実効性を確保しています。さらに、「継続して賃上げにかかる取り組みを実施した医療機関」については、所定点数を過年度分の点数に積み上げていく形としています。また、令和9年度の賃上げ目標(+3.2%のベースアップ実現)の達成に向けた対応として、「令和9年6月以降」の点数を新設しています。
追加で賃上げ措置が必要な医療機関に対する外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)については、区分が1~8までだったのを24までに拡大し、令和9年6月以降の賃上げ対応として、13~24までの区分で算定することになります。さらに施設基準において、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)により算定される点数の見込み合計の10倍が、「主として医療に従事する職員の給与総額の1.2%未満であること」の要件から、「対象職員の適切な賃金改善に必要な額の50%未満であること」に改定し、活用しやすくしています。
〇外来・在宅ベースアップ評価料
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(令和9年6月以降は100分の200の点数)
1 初診時 17点(6点)
2 再診時等 4点(2点)
3 訪問診療時
イ 同一建物居住者等以外の場合 79点(28点)
ロ イ以外の場合 19点(7点)
※継続して賃上げにかかる取り組みを実施した場合、上記の所定点数に代えて、それぞれ23点、6点、107点、26点を算定(令和9年6月以降は、それぞれ40点、10点、186点、45点を算定)。
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)
1 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)1
イ 初診または訪問診療を行った場合 8点(8点)
ロ 再診時等 1点(1点)
2~23 (略)
24 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)24
イ 初診または訪問診療を行った場合 192点
ロ 再診時等 24点
※13~24までの点数は、令和9年6月以降に算定。
※継続して賃上げにかかる取り組みを実施した保険医療機関は、上記1イおよびロの所定点数に代えて、それぞれ16点、2点を算定(2~12までは略)。
※継続して賃上げにかかる取り組みを実施した保険医療機関の令和9年6月以降は、別に点数を設定し対応します。
〇歯科外来・在宅ベースアップ評価料
・歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(令和9年6月以降は100分の200の点数)
1 初診時 21点(10点)
2 再診時等 4点(2点)
3 歯科訪問診療時
イ 同一建物居住者等以外の場合 66点(41点)
ロ 同一建物居住者の場合 11点(10点)
※継続して賃上げにかかる取り組みを実施した場合、上記の所定点数に代えて、それぞれ31点、6点、107点、21点を算定(令和9年6月以降は、それぞれ52点、10点、173点、32点を算定)。
・歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)
1 歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)1
イ 初診または訪問診療を行った場合 8点(8点)
ロ 再診時等 1点(1点)
2~23 (略)
24 歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)24
イ 初診または訪問診療を行った場合 192点
ロ 再診時等 24点
※外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)と同様。
(2) 入院基本料等に減算規定を設ける
入院ベースアップ評価料については、勤務する職員としたうえで、1~165(点数は据え置き)までの区分を500までとし、251~500までの点数は令和9年6月以降に算定します。施設基準においては、「主として医療に従事する職員の給与総額の2.3%未満であること」の要件が、「対象職員の適切な賃金改善に必要な額未満であること」に改定しています。
その一方で、令和6・7年度において賃上げを実施している保険医療機関とそれ以外とを区別する観点から、減算規定を設けます。入院料等の通則において、「入院基本料(特別入院基本料等を含む)、特定入院料または短期滞在手術等基本料(短期滞在手術等基本料1を除く)」の所定点数から1日につき、急性期病院A一般入院料等の場合121点(他の入院基本料等の減算については略)を減算します。
〇入院ベースアップ評価料
・入院ベースアップ評価料(1日につき)(251~500までは令和9年6月以降に算定)
1 入院ベースアップ評価料1 1点
2~499 (略)
500 入院ベースアップ評価料500 500点
〇入院料基本料等の減算規定
・医科診療報酬点数表第1章第2部入院料等
通 則
11 継続的に賃上げにかかる取り組みを実施している保険医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関以外の保険医療機関については、第1節(特別入院基本料等を含む)、第3節および第4節(短期滞在手術等基本料1を除く)の各区分に掲げるそれぞれの入院基本料、特定入院料または短期滞在手術等基本料の所定点数から1日につき次に掲げる点数を減算する。
イ 急性期病院A一般入院料、急性期一般入院料1、急性期病院B一般入院料(看護・多職種協働加算を算定する場合)、急性期一般入院料4(看護・多職種協働加算を算定する場合) 121点
ロ~ラ (略)
施設基準 (略)
(3) 「夜勤手当」を基本給等に含めてよい
夜勤職員の確保に資するように、「看護職員処遇改善評価料」「ベースアップ評価料」による収入について、施設基準において「恒常的に夜間を含む交替勤務制をとっている職場の職員に支払われる夜勤手当については、毎月支払われる手当に準じて基本給等に含めて差し支えない」と、夜勤手当の増額に用いることができるようになります。
(4) その他のベースアップのための施策
そのほかとしては、①「歯科技工所ベースアップ支援料」、②「調剤ベースアップ評価料」を新設するとともに、③「訪問看護ベースアップ評価料」については見直しを行っています。
・歯科技工所ベースアップ支援料(1装置につき) 15点
※補綴物等の製作等の委託を行った場合に所定点数を算定。
※令和9年6月以降は、所定点数の100分の200を算定。
・調剤報酬ベースアップ評価料(処方箋の受付1回につき) 4点
※令和9年6月以降は、所定点数の100分の200を算定。
・訪問看護ベースアップ評価料(カッコ内は旧点数)
1 訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ) 1,050円(780円)
2 訪問看護ベースアップ評価料(Ⅱ)
イ 訪問看護ベースアップ評価料(Ⅱ)1 30円(10円)
ロ~テ (略)
ア 訪問看護ベースアップ評価料(Ⅱ)36 1,080円
※ツ~アは令和9年6月以降算定。
※上記1の令和9年6月以降の所定額は100分の200に相当する額。
※継続して賃上げにかかる取り組みを実施した場合、上記1の所定額は1,830円(令和9年6月以降は、2,880円)。
※上記2について、別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーションにおいて、継続して賃上げにかかる取り組みを実施した訪問看護ステーションについては、「イ 訪問看護ステーションベースアップ評価料(Ⅱ)1」は40円(ロ~アは略)となります(令和9年6月以降についても段階的な評価をします)。
【参考資料】
・厚生労働省「診療報酬改定について」(大臣折衝事項)令和7年12月24日
・中央社会保険医療協議会総会「個別改定項目について」令和8年2月13日
・中央社会保険医療協議会総会「医科診療報酬点数表」令和8年2月13日
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